教員の自己分析のやり方|自分を振り返って、本当に大切にしたいことを見つける
どうも!こんにちは、1児の数学教師です。(^o^)/
今から限りある人生の過ごし方についての授業を始めたいと思います。
「自己分析って、何から始めればいいのかわからない」
「やりたいことを書き出そうとしても、何も出てこない」
「教員の仕事しかしてこなかったから、自分の強みなんてない気がする」
転職を考えはじめて、自己分析でつまずいている先生はいませんか。
普段は自己分析なんてしないので手が止まるのは当然です。
私たち教員の多くは大学を出てそのまま教壇に立ちました。
就職活動で自己分析をした経験がない人がほとんどです。
それなのに、いきなり「やりたいこと」や「強み」を聞かれても、答えが出てこないのは当たり前です。
ただ、自己分析があいまいなまま転職活動を進めると、書類でも面接でも、何を伝えればいいのかがぼやけてしまいます。
さっそく結論からお伝えします。
自己分析のポイントは自分自身の「ふり返り」をすること
「やりたいこと探し」から始めないでください。
小学校に入る前から今までの「うれしかったこと」と「つらかったこと」を書き出す「自分史のふり返り」をすると、自分が何に喜びを感じ、何につらさを感じるのかが見えてきます。
その「喜び」と「つらさ」の共通点が、みなさんの働き方の軸になります。
軸が見えれば、次の職場を選ぶときにも、書類や面接で話すときにも、もう迷いません。
この記事では、
- 教員の自己分析がうまくいかない理由
- 「1児の教師流」自分史のふり返り【3つのステップ】
- 私と妻が、実際にこの方法で見つけたこと
を、お話しします。
ぜひ最後まで読んで、明日から実践できるヒントをつかんでください。
私は10年以上公立高校の教師として数学を教えていましたが、そのときの働き方に疑問を感じ、国立大附属高校に転職しました。
私のプロフィールに興味のある方はコチラ→🔗1児の数学教師ってどんな人?
今回の授業のテーマは【自分史をふり返って、本当に大切にしたい働き方を見つける方法】です。
以前、このブログの「転職2.0」の記事で、「1児の教師流、自己分析」という方法があるので、またどこかで紹介させてください、とお伝えしていました。
今回の記事が、その約束の回収です。
自己分析という言葉にはどこか大げさな響きがあります。
でも、私のやり方はとてもシンプルです。
これまでの人生を振り返って
⭕️嬉しかった(プラスの出来事)こと
❌️つらかった(マイナスの出来事)こと
を書き出すだけです。
不思議なもので書き出してみると年代はバラバラなのに、喜びを感じる場面にもつらさを感じる場面にも共通点が出てきます。
それが今まで自分でも気づいていなかった「自分」です。
そこに気づくと、
✅️どんな働き方を理想としているのか、
✅️人生で何を大切にしたいのかが、
はっきり見えてきます。
私は公立高校から国立大附属高校へ移るかどうかを考えたとき、この方法で自分の気持ちを整理しました。
そして、妻が転職するときにも、この方法でエントリーシートを作り直してもらいました。
みなさんが自分だけの軸を手にして迷わずに次の職場を選べるように、教員の自己分析がうまくいかない理由を一緒に確認していきましょう。
自己分析がうまくいかない2つの理由
自己分析で手が止まるのは、みなさんに能力がないからではありません。
教員ならではのつまずきやすいポイントがあります。
理由①:「やりたいこと」から始めてしまう
自己分析の本やサイトの多くは「やりたいこと」や「好きなこと」を書き出すところから始めます。
でも、毎日の仕事に追われている先生にとって「やりたいこと」はすぐには出てきません。
出てこないから手が止まる。
手が止まるから自分には何もないと思い込んでしまいます。
教員の場合、やりたいことが出てこないのにははっきりした理由があります。
私たちの多くは「先生になりたい」という1番のやりたいことを、すでに叶えているからです。
その夢をかなえた人に「次にやりたいことは?」と聞いても、すぐに答えが出てこないのは当然です。
しかも、私たち教員は学校の外の仕事を知る機会がほとんどありません。
知らない仕事を「やりたい」と思うことはできません。
無理に書き出そうとすると「年収が高そう」「残業が少なそう」といった条件ばかりが並んでしまいます。
条件は大切ですが、それだけでは自分が何に喜びを感じる人間なのかは見えてきません。
一方で、過去の「嬉しかったこと」なら誰にでも必ずあります。
未来のことは想像するしかありませんが、過去のことは思い出すだけで書けるからです。
「やりたいこと」は最初に考えるものではありません。
過去を振り返った結果として、あとから見えてくるものです。
理由②:「今の不満」だけで考えてしまう
転職を考えるきっかけは、たいてい今の職場への不満です。
🌀残業が終わらない
🌀部活動で休みがない
🌀職場の人間関係がつらい
こうした不満を感じること自体はまったく悪いことではありません。
でも、今の不満だけを材料にすると「何から離れたいか」はわかっても「何を大切にしたいか」が見えてきません。
たとえば「残業が多いから」という理由だけで、残業の少ない会社を選んだとします。
残業は減っても仕事の中身が自分に合っていなければ、今度は「やりがいがない」という別の不満にぶつかってしまいます。
もう1つの落とし穴は、不満の材料が「ここ数年」に偏ってしまうことです。
今の職場の不満は、長い人生のうちの、ほんの数年分の出来事にすぎません。
その数年だけでこれから先の働き方を決めてしまうのはもったいないことです。
不満の裏側には「本当はこうしたかった」という気持ちが隠れています。
たとえば「生徒指導に追われて、授業の準備ができない」という不満の裏には「教科の指導に時間を使いたい」という気持ちがあります。
ただ、その気持ちが本物かどうかは、今の不満だけでは確かめられません。
小学校に入る前からの人生をふり返り、
⭕️どんな場面で喜びを感じてきたか、
❌️どんな場面だと嫌な気持ちになったのか、
をふりかえることで初めて自分の軸が明確になってきます。
自己分析が進まないのは、材料が「今」と「やりたいこと」に偏っているからです。
「1児の教師流」自分史のふり返り【3つのステップ】
ここからが本題です。
自分史のふり返りは、次の3つのステップで進めます。
- 年代ごとにプラスとマイナスを書き出す。
- プラスとマイナスの共通点を探す。
- 共通点から1本の軸をつくり、譲れない条件と、軸を活かせる経験に置き換える。
ステップ①:年代ごとに「うれしかったこと」「つらかったこと」を書き出す
まず、人生を次の7つに区切ります。
・小学校に入る前
・小学生
・中学生
・高校生
・大学生
・働き始めてから
・ここ3〜4年
それぞれの年代で、うれしかったこと、楽しかったこと(プラスのこと)と、嫌だったこと、悲しかったこと、つらかったこと(マイナスのこと)を、思い出せるだけ書き出してください。
ここでのコツは、「仕事に関係ありそうなこと」に絞らないことです。
- 学校のこと
- 部活動のこと
- 友達とのこと
- 家族とのこと
- 習いごとのこと
- 日常の些細なこと
どんなに小さなことでも構いません。
大切なのはそのとき自分の心が大きく動いたかどうかです。
ステップ②:「喜び」と「つらさ」の共通点を探す
書き出したら、プラスのことだけを並べて眺めてみてください。
年代はバラバラでも「こういう場面で、自分はうれしくなる」という共通点が見えてきます。
同じように、マイナスのことの共通点も探します。
・どんな場面で喜びを感じてきたか
・どんな場面でつらさを感じてきたか
この2つが、みなさんの心の「くせ」です。
働き方を選ぶときは、喜びを感じる場面が多く、つらさを感じる場面が少ない環境を選べばいいのです。
ステップ③:共通点から「1本の軸」をつくり、仕事に置き換える
最後に、見つけた共通点を、仕事の言葉に置き換えます。
✅大切にしたいこと(1本の軸):喜びの共通点を、一言で書く
✅譲れない条件:その軸を守るために、次の職場で絶対に必要なこと(上から3つ)
✅軸を活かせる経験:これまでの仕事で、その軸が発揮された場面(数字を入れて)
ここで大事なのは、軸を1本に絞ることです。
私は進路指導で生徒に志望理由を考えさせるとき「あれもやりたい、これもやりたい」となる生徒には、その中でも「特にやりたいこと」に絞らせていました。
やりたいことがいくつもあると目的がぶれてしまうからです。
自分の自己分析でもまったく同じです。
また、譲れない条件を考えるときは、今の自分だけでなく、数年後の生活まで考えてください。
私の妻は、転職先を選ぶとき、まだ子どもが生まれる前でしたが、子どもが生まれてからの生活を考えて通勤時間や乗り換えの大変さまで条件に入れていました。
そのまま使える自分史シート
紙やスマホのメモに写して、使ってみてください。
【自分史シート】
年代ごとに、プラス(うれしかった・楽しかった)とマイナス(嫌だった・つらかった)を書く
・小学校に入る前 プラス: マイナス:
・小学生 プラス: マイナス:
・中学生 プラス: マイナス:
・高校生 プラス: マイナス:
・大学生 プラス: マイナス:
・働き始めてから プラス: マイナス:
・ここ3〜4年 プラス: マイナス:
→ プラスの共通点(どんなときに喜びを感じるか):
→ マイナスの共通点(どんなときにつらさを感じるか):
→ 大切にしたいこと(1本の軸):
→ 譲れない条件(上から3つ):
→ 軸を活かせる経験(数字を入れて):
最初から全部を埋めなくて大丈夫です。
思い出せた年代から書いて、あとから少しずつ書き足してください。
過去の「うれしい」と「つらい」には、未来の働き方のヒントが詰まっています。
私と妻が自分史のふり返りで見つけたこと
ここからは、実際にこの方法を使った例を紹介します。
私の場合:附属への転職を決めたとき
私が中学生のころに通っていた塾はとにかく楽しい場所でした。
数学の先生の教え方がめちゃくちゃ上手で高校の卒業文集に書いた将来の夢は「塾講師」です。
大学生になってその塾でアルバイトを始めてからは「わかりやすく教える」ことに情熱を注ぎました。
プラスのことを書き出すと、どの年代にも「勉強」と「教えること」が出てきました。
▶「「1児の数学教師」ってどんな人?|このブログを書いている人の話」の記事へ🔗
一方で、働き始めてからのマイナスを書き出すと、授業を成立させるための生徒指導に追われ、教科の指導に時間をかけられなかったことばかりが並びました。
プラスとマイナスを並べてみて、はっきりわかりました。
私が喜びを感じるのは「教科をわかりやすく教えて、生徒がわかるようになる場面」です。
そして、つらさを感じていたのは、そこに時間を使えないことでした。
合わなかったのは「教員という仕事」ではなく、「教科の指導に時間を使えない環境」だったのです。
この軸が見えたから、「学校を辞める」のではなく「教科の指導に力を注げる学校へ移る」という答えにたどりつけました。
それが国立大附属高校への転職です。
妻の場合:エントリーシートが変わった
妻が民間企業へ転職したとき、最初に書いたエントリーシートを見せてもらいました。
そこには、「チーム内のトラブルに対応できるようなマニュアルを作り、経験を重ねたロールモデルを目指してきた」といった言葉が並んでいました。
間違ったことは書いていません。
でも、正直に言うと、誰が書いたのかわからない、誰にでも当てはまる文章でした。
私は、面接では「自分が経験してきたからこそ話せることを、具体的に話す」ことが大切だと思っています。
そこで妻に、自分史のふり返りをやってもらいました。
ふり返りの中で、妻は自分が「誰かのために何かをして、そのことで相手が喜んでくれたり、楽しそうにしてくれたりすること」に喜びを感じるタイプだと気づきました。
それからは、エントリーシートも面接の答えも、この軸をもとに考えていきました。
妻はその後、転職エージェントのサポートも受けながら転職し、年収は60万円ほど上がっています。
自分史のふり返りで見つけた軸は、面接においてもそのまま答えの土台になります。
面接での使い方は、こちらの記事でお話ししています。
▶「教員の転職面接対策|「1本の軸」で答える準備と、先生がやりがちな4つの失敗」の記事へのリンク(準備中)
最後は他者に聞いてもらう
自分史のふり返りは、1人でやると思い込みが入りやすい作業でもあります。
書き出したシートを持って、転職エージェントの面談で話してみてください。
「その軸なら、この職種が合いそうですね」と、外からの視点で答え合わせをしてもらえます。
このブログで何度も伝えている「教員の転職の大原則」をお伝えしておきます。
①転職は後出しジャンケンと同じ
②転職にはリスクがあるけど、転職活動はノーリスク
③学校現場に戻る道もある
「転職」と「転職活動」は、まったくの別物です。
転職活動は、いわば市場調査。
転職に向けて動いてみて良い話がなければ、今の学校に残ればいいだけです(ノーリスク)。
内定が出てから、行くか残るかを選べる。
だから「後出しジャンケン」なのです。
実際、転職活動をした結果、「今の仕事も悪くないな」と気づいて残る先生もいます。
それも立派な成果です。
・「選べる状態」で今の仕事を続けるのと、
・「ここしかない」と思って続けるのとでは、
心の重さがまったく違います。
軸が1本あれば、どんな質問にも、自分の言葉で答えられます。
よくある質問
Q. 子どものころのことは、あまり覚えていません。
- 思い出せることだけで大丈夫です。全部の年代を埋める必要はありません。思い出せた場面の中に、心が大きく動いた共通点が見つかれば十分です。
Q. 自分史のふり返りには、どのくらい時間をかければいいですか?
- 最初は1〜2時間で思い出せる範囲を書き出してみてください。一度で完成させようとせず、思い出したときに書き足していくくらいでちょうどいいです。
Q. 振り返った結果、「今の学校が合わないだけ」とわかりました。
- それも立派な答えです。私もそうでした。異動や、私立・国立大附属への転職で解決できるかもしれません。民間へ出ることだけが転職ではありません。
Q. やりたいことがいくつも出てきてしまいます。
- その中から「特にやりたいこと」を1つに絞ってください。軸がいくつもあると、目的がぶれて、書類や面接で伝わりにくくなります。迷ったら、プラスの共通点に1番近いものを選んでください。
まとめ:自分自身をふり返ることが働き方の軸になる
自分史を振り返って、本当に大切にしたい働き方を見つける方法について、お話ししてきました。
最後にもう一度、この記事の結論をお伝えします。
自己分析のポイントは自分自身の「ふり返り」をすること
「やりたいこと探し」から始めず、これまでの人生の「うれしかったこと」と「つらかったこと」を書き出してください。
その共通点が、みなさんの働き方の軸になります
そのうえで、本文でお伝えした大事なことをもう一度整理します。
教員の自己分析がうまくいかないのは、
が原因です。
私たち教員は「先生になる」という夢をすでに叶えていて、学校の外の仕事もよく知らないので、やりたいことはすぐには出てきません。
今の不満も人生のほんの数年分の材料にすぎません。
材料を「今」だけでなく、小学校に入る前からの人生全体に広げれば、自己分析はちゃんと進みます。
やり方は3つのステップです。
- 年代ごとにプラスとマイナスを書き出す。
- プラスとマイナスの共通点を探す。
- 共通点から1本の軸をつくり、譲れない条件と、軸を活かせる経験に置き換える。
私の場合、喜びを感じるのは「教科をわかりやすく教えて、生徒がわかるようになる場面」で、合わなかったのは「教科の指導に時間を使えない環境」でした。
妻は「誰かのために何かをして、相手が喜んでくれること」が軸だと気づき、エントリーシートの中身が大きく変わりました。
最後に、もう一度だけ言わせてください。
自己分析の目的は、立派な自分を見つけることではありません。
自分が何に喜び、何につらさを感じるのかを知ることです。
それがわかれば、次の職場を選ぶときにも、面接で話すときにも、もう迷いません。
▶転職の全体像を知りたい方は完全ガイドへ
過去の「うれしい」と「つらい」が、未来の働き方の道しるべになります。
ということで、今日の授業を終わります。





