初任者だけど教員を辞めたい|辞める前に知ってほしいこと
どうも!こんにちは、1児の数学教師です。(^o^)/
今から限りある人生の過ごし方についての授業を始めたいと思います。
「授業もクラスも部活も何一つうまくいかない」
「まわりの先生は普通にできているのに自分だけダメな気がする」
「1年目で辞めたら、もう人生が終わってしまうんじゃないか」
教員になって1年目。
こんな風に毎日自分を責めている先生はいませんか。
そんな風に思っている初任のみなさんにまず知っておいてほしいことがあります。
1年目にうまくいかないのはみなさんだけではありません。
むしろ、ほとんどの先生が通る道です。
ただ、そのつらさを誰にも言えないまま抱え込むと、ある日ぷつりと糸が切れてしまうことがあります。
こまかい話に入る前に結論からお伝えします。
1年目から全部うまくやれる先生はいません。
辞めるかどうかは誰かに相談してから決めてください。
失敗をくり返しながらできるようになるのが教員の仕事です。
それでも「やっぱり合わない」と思ったなら、そのときは20代として次の道を選ぶことも十分にできます。
大切なのは1人で決めてしまわないことです。
この記事では、
- 初任者の1年目がつらい理由
- 「もっと早く相談できていれば」と思った、ある1年目の先生の話
- それでも辞めると決めたときの進め方
を、お話しします。
ぜひ最後まで読んで、明日から実践できるヒントをつかんでください。
私は公立高校で10年以上勤務し、数学を教えてきましたが、そのときの働き方に疑問を感じ国立大附属高校へ転職しました。
私のプロフィールに興味のある方はコチラ→🔗1児の数学教師ってどんな人?
今回の授業のテーマは【初任者が「辞めたい」と思ったときに知っておいてほしいこと】です。
1年目のつらさは、経験した人にしかわかりません。
大学を出て、4月からいきなり「先生」と呼ばれます。
教壇に立てば生徒にとっては1年目もベテランも同じ「先生」です。
・授業の準備
・分掌の仕事
・クラスのこと
・部活動
・初任者研修の課題
どれも初めてなのに、どれも待ってくれません。
しかも、職員室を見渡すと周りの先生たちは何でもないような顔で仕事をこなしています。
自分だけができていない
そう思い込んでしまうのも無理はありません。
でも、断言します。
そのベテランの先生たちも1年目は同じようにつまずいていました。
私もそうです。
私が初任者として勤めたのは地元でもトップクラスの教育困難校でした。
授業を成立させるだけで精一杯の毎日に加えて、専門のスキルが必要な特殊な部活動の顧問を任されました。
うまくいったことより、うまくいかなかったことのほうが多い1年でした。
だから、みなさんにお伝えしたいのは「頑張れ」ではありません。
「1人で抱えなくていい」ということです。
みなさんが、1年目のつらさに押しつぶされて大切なことを1人で決めてしまわないように。
まずは一緒に、1年目がこれほどつらい理由から確認していきましょう。
初任者の1年目がつらい理由
1年目がつらいのは、みなさんの力が足りないからではありません。
1年目にはつらくなって当たり前の理由がそろっています。
理由①:何もかもが「初めて」なのに同時にやってくる
授業の準備、担任や副担任の仕事、分掌の仕事、部活動、保護者への連絡。
1年目は、そのすべてが初めてです。
しかも、1つずつ順番に覚える時間はありません。
4月から、全部が同時に始まります。
そこに、初任者研修が加わります。
授業を見てもらい、指導を受け、レポートを書く。
学ぶための研修なのに、時間に追われる身には、それすら負担に感じることがあります。
正直に言うと、私は初任者研修にあまりいい思い出がありません。
学校の仕事を途中で切り上げて研修に向かうたびに、「学校で生徒指導や授業の準備をしていたほうが、よっぽど身になるのに」と思っていました。
研修で会う同期の中には、進学校に勤める先生もいました。
同じ年に採用されたのに、あちらは進学指導ができる。
生徒指導に追われていた私は、その同期をうらやましく思っていました。
まわりの初任者と比べて落ち込んでしまうのは、みなさんだけではありません。
理由②:先輩と一緒に仕事を覚える「OJT」のしくみがない
民間企業では、新入社員は研修を受けたあとも、しばらくは先輩と一緒に動きながら仕事を覚えていくのが一般的です。
仕事をしながら先輩に教わるこのしくみは、「OJT」と呼ばれています。
※OJT(On-the-Job Training:オン・ザ・ジョブ・トレーニング):職場の上司や先輩社員が指導役となり、実際の業務を通じて必要な知識やスキルを計画的に身につけさせる人材育成の手法です。
学校にはこの仕組みがほとんどありません。
小学校や中学校では、初任者でも4月からすぐに担任を持ちます。
授業は、小学校・中学校・高校のどの校種でも、ほかの先生と同じようにいきなり始まります。
もちろん、初任者には指導教諭の先生がついてくれます。
でも、その先生にも自分の授業や校務があるので、付きっきりで教えてもらえるわけではありません。
わからないことがあっても、忙しそうな先輩には声をかけづらく、結局1人で抱え込んでしまいます。
教わりながら覚える時間がないまま、初日から一人前として扱われる。
これが1年目がつらくなる大きな理由の1つです。
理由③:うまくいかない理由が自分ではわからない
経験が少ないうちは何が原因でうまくいかないのかが見えません。
授業が成り立たないのは
🌀自分の話し方のせいなのか、
🌀クラスの生徒の構成のせいなのか、
🌀それともそもそも学校の状況のせいなのか。
わからないから、全部自分のせいだと思ってしまいます。
1児の数学教師の体験談
私が教壇に立って1番つらかったのは、教員採用試験に合格する前、常勤講師として初めて勤めた学校でした。
その地区で1番荒れていると言われる教育困難校で、数年後に閉校することも決まっていました。
先生たちの間にも「この生徒たちに、ちゃんと指導しても…」という空気がありました。
ベテランの先生ばかりの中に、若い先生が1人来たのです。
生徒たちは当然、私をなめてかかってきました。
どこまでを指導して、どこまでを見逃すのか。
その線引きがわからず、しかも同年代の先生が少なくて、相談できる相手がいませんでした。
そんなとき、私を気にかけてくれていた4歳ほど上の先輩に相談しました。
先輩は、こう言ってくれました。
「今は指導が響かなくても、いつか絶対に伝わる。周りの生徒もちゃんと指導している場面を見ている。だから、ダメだと思ったことはちゃんと言わないといけない」
正直、そのときは半信半疑でした。
でも、先輩教員の言葉を信じて、私なりに指導を続けました。(全然うまくいきませんでしたが・・・)
その結果、その学年が卒業するとき何人かの生徒が「あのとき、ちゃんと怒ってくれてありがとう」と言ってくれたのです。
採用されてから勤めた初任校でも、聞いたこともない部活動の顧問を任され、部員が減って生徒と一緒に練習に加わるなど、思いどおりにいかないことばかりでした。
それでも、失敗するたびに少しずつやり方を変えて、2年目、3年目と、できることが増えていきました。
1年目はうまくいかないのが普通です。「できない」のではなく、「まだ経験していない」だけです。
辞めると決める前に知っておいてほしいこと
ここからがこの記事で1番お伝えしたいことです。
ある1年目の先生の話
以前、年配の先生から、こんなことを頼まれました。
「◯◯先生が辞めようと思っているらしい。話をしてあげてくれないか」
その先生は新卒1年目でした。
授業も部活動の運営もうまくいっていない様子でした。
私は、自分がこれまでにしてきた失敗と、そこからどう工夫してきたかを話しました(話した内容は、このあと紹介します)。
そして、こう伝えました。
「1年目からすべてうまくやるなんて、誰にもできない。失敗をくり返して、できるようになっていく仕事なんだよ」と。
でも、そのときはもう2月か3月でした。
その先生の中では気持ちはすでに決まっていました。
結局、その先生は年度末で退職し、別の企業へ転職していきました。
その先生の選択が間違っていたとは思いません。
新しい場所で元気に働いていてくれたら、それで十分です。
ただ、今でも思うことがあります。
「もう少し早く話を聞けていたら、選べる道はもっと多かったかもしれない。」
その先生に話した、私の3つの失敗
その先生に話したのは、私の1年目に限らず、これまでにしてきた失敗です。
数えきれないほどありますが、そのうちの3つを紹介します。
〔失敗①〕何でも1人で効率よくやろうとした
学期末の成績会議の資料を作るとき、エクセルの関数で効率化することにこだわって、1人で抱え込んでいました。
でも、成績用のシートはもともと学校で統一されたものがありました。
対象の生徒が少ない項目なら何人かで手分けして手で打ち込むほうが、圧倒的に早かったのです。
〔失敗②〕「いつものこと」と思って家庭に連絡しなかった
もともと休みがちな生徒が3〜4日続けて休んだことがありました。
私は「またか」と思って家庭に連絡しませんでした。
さすがに休みすぎだと思って保護者に連絡すると、その生徒は朝、家を出たあと、学校に来ずに別の場所で過ごしていたことがわかりました。
保護者は、学校に行っていると思っていたのです。
「欠席の連絡もしないなんて、ありえない!!」と、強く叱られました。
それからは、どんな生徒でも担任として必要な連絡は必ずするようにしています。
〔失敗③〕生徒との距離をまちがえた
私を慕ってくれていたクラスの生徒と話しているうちに、教師と生徒という立場を忘れて、軽口を言ってしまいました。
その生徒は私の言葉に傷つき、翌日からしばらく学校を休んでしまいました。
それ以来、どれだけ親しく接してくれる生徒でも、教師と生徒という関係であることを意識するようになりました。
どれも、今思い出しても胸が痛む失敗です。
でも、この失敗があったから、今の私の仕事のやり方があります。
1年目の失敗は、ダメな先生の証拠ではありません。
できる先生になるための材料です。
相談するなら2学期のうちに
なぜ「もっと早く」なのか。
学校は、年度単位で人事が動くからです。
秋になると、次の年度の希望を聞かれ始めます。
この時期までに相談できていれば、
・別の学校への異動を希望する
・次の年度は担任を外れる
・部活動を変える
といった、辞める以外の選択肢も取りやすくなります。
逆に、年が明けてからでは次の年度の体制がほとんど決まってしまい、選べる道が「続けるか、辞めるか」の2つに絞られてしまいます。
私が常勤講師をしたころ、先輩の一言に救われたように、誰かに話すだけで見え方が変わることがあります。
相談する相手は、学年主任でも、初任者研修の指導担当の先生でも、教科の先輩でも構いません。
職場の人に話しにくければ、家族や、学校の外の友人でもいいのです。
大切なのは1人で決めてしまわないことです。
それでも辞めると決めたときの進め方
相談したうえで、それでも「この仕事は自分に合わない」と思ったなら、それも立派な答えです。
そのときは、次の3つを守ってください。
✅ できるだけ年度末(3月末)の退職を目安に、逆算して動く
✅ 在職中に次の道を探しておく
✅ 「1年で辞めた自分はダメだ」と思わない
1年目で辞めても、20代は未経験の仕事に挑戦できる年代です。
20代を中心とした若手向けのサービスがある転職エージェントなら、教員以外の仕事が未経験でも相談に乗ってもらえます。
このブログで何度も伝えている「教員の転職の大原則」をお伝えしておきます。
①転職は後出しジャンケンと同じ
②転職にはリスクがあるけど、転職活動はノーリスク
③学校現場に戻る道もある
「転職」と「転職活動」は、まったくの別物です。
転職活動は、いわば市場調査。
転職活動をしてみて良い話がなければ、今の学校に残ればいいだけです(ノーリスク)。
内定が出てから、行くか残るかを選べる。
だから「後出しジャンケン」なのです。
実際、転職活動をした結果、「今の仕事も悪くないな」と気づいて残る先生もいます。
それも立派な成果です。
・「選べる状態」で今の仕事を続けるのと、
・「ここしかない」と思って続けるのとでは、
心の重さがまったく違います。
今よりも
✅️年収があがる
✅️労働環境が改善される
✅️不安な気持ちがなく働ける
こういった場所が見つかれば、転職すればいいんです。
転職活動をしたうえで、「やっぱり子どもたちの成長を間近でみられる教員の仕事に勝るものはない」と感じるなら教員を続ければいいんです。
それが転職にはリスクがあるけど、転職活動はノーリスクという部分です。
さらに付け加えたいのが、教員の転職は「戻る場所が保証されている転職」ということです。
全国的にも教員の数は減っていて、心身の不調で病欠を取っている先生も数多くいます。
つまり、どの学校でも教員数は足りていないということです。
もし、転職して教員以外の道に進んだとしても、講師やもう一度教員採用試験を受けることで戻ることが出来ます。
辞めるかどうかを決めるのは、相談したあとで遅くありません。
よくある質問
Q. 1年目で辞めたら、経歴に傷がつきませんか?
- 傷にはなりません。20代の転職は珍しくなく、企業は「なぜ辞めたか」より「次に何をしたいか」を見ています。1年目の経験も、人前で話す力や、人と向き合った経験として伝えられます。
Q. 条件付採用期間中に辞めることはできますか?
- できます。条件付採用期間中でも、退職を願い出ることはできます。ただし、学校や生徒への影響を考えると、できるだけ年度末を目安にするのがおすすめです。
Q. 誰に相談すればいいのかわかりません。
- 学年主任や初任者研修の指導担当の先生など、話しやすい人で構いません。職場の人に話しにくければ、家族や学校の外の友人でも大丈夫です。1人で抱え込まないことが1番大切です。
Q. 体や心が限界です。年度末まで待たないといけませんか?
- 待たなくて大丈夫です。眠れない、朝起きられないといったサインが出ているなら、年度の途中でも休んだり辞めたりしていいのです。まずは体と心を守ってください。
まとめ:1年目のつらさを、1人で抱えないで
初任者が「辞めたい」と思ったときに知っておいてほしいことについて、お話ししてきました。
最後にもう一度この記事の結論をお伝えします。
1年目から全部うまくやれる先生はいません。
辞めるかどうかは誰かに相談してから決めてください。
そのうえで、本文でお伝えした大事なことをもう一度整理します。
1年目がつらい理由は3つです。
- すべてが初めてで同時にやってくる
- 仕事の覚え方が特殊
- うまくいかない理由が自分ではまだ見えない
どれもみなさんの力不足ではありません。
私自身も1年目はうまくいかないことばかりでした。
それでも、辞めたいと思ったら2学期のうちに誰かに話してください。
年度の人事が決まる前なら、担任や部活動を変える、異動を希望するといった、辞める以外の道も選べます。
私は今でも、2月や3月に相談を受けてすでに気持ちが決まっていた1年目の先生のことを思い出します。
それでも合わないと思ったら、そのときは年度末を目安に、在職中に次の道を探してください。
1年目で辞めても、20代の選択肢はたくさんあります。
最後に、もう一度だけ言わせてください。
1年目でつまずくのは、みなさんがダメだからではありません。
この仕事は失敗をくり返してできるようになる仕事です。
だからどうか、1人で決めてしまわないでください。

▶転職の全体像を知りたい方は完全ガイドへ
つらいときこそ、誰かに話してください。一人で耐えるのは強さではありません。
ということで、今日の授業を終わります。






